まずは、作りたい時代のビジュアル的な資料集めが肝心です。ぼくは半分趣味なのですが、普段から古い町並みが載っている写真集を買い集めたり、街に出て実際に残っている建築物の写真を撮っておいたりして、いざ作るときは、そのストックの中からイメージにあう資料を探し出し、デザインを構成していきます。路面電車など鉄道関係はその手の研究本がけっこう出ていますので助かります。通称新1型と呼ばれる車両で車体側面のアールがいい感じです。作業的には主にABS材の板を、切ったり貼ったりのくり返しで製作していきます。30分の1のブリル21E型の台車なんてどこにも売ってないから、これもスクラッチです。特徴のダブルポールは真鍮細工で、架線にテンションがかかるよう本物同様スプリングがしこんであります。建築物もABS材の工作で、アクリルカッターでタイルパターンを刻み、塗装後タイルの目地に白い漆喰のつもりでモデリングペーストをすりこみ、表現しました。丸ポスト、消化栓、大八車、植木鉢と路上の小物を作りこんで気分をだしていきます。露天で売っている月送れの古雑誌、立て看板の映画のポスター、写真館のポオトレイトなど時代設定にあわせて資料からスキャンして縮小して貼り付けていくと、だんだんと気分がでてきます。フィギュア類は粘土細工で、主にパジコ社のラドールを使用しています。大道具小道具役者と揃ったところで電飾を仕込でいきます。建物も電車もそこで初めて雰囲気のある舞台装置になり、昭和初期の夜の銀座のムードを醸し出すのでした。